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2006-11-22 / 年収150万円と3000万円で“税率”が同じ国

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/58/index.html

日本の税制が低所得者を保護している例としていわれる

1. 日本の課税最低限は諸外国に比べて高い
2. 日本の税制は累進課税になっている

は誤りという話.




1. 日本の課税最低限は諸外国に比べて高い

- 所得税・個人所得課税の負担額,実効税率,課税最低限に関する国際比較
  http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/028.htm

によると,夫婦と子ども2人の4人家族の場合,所得税の課税最低額は、

日本 325.0万円
イギリス 376.7万円
アメリカ 378.5万円
フランス 410.7万円
ドイツ 508.1万円

となっていて,欧米より低い.



2. 日本の税制は累進課税になっている

所得税・住民税だけでなく社会保険料も税金と考える.

社会保険料も税金と考える理由は次のとおり.

1. 社会保険料の使用目的
   社会保険料は本人のために積み立てられているのではない
2. 徴収方法
   国民健康保険は,政府みずからが「国民健康保険税」と呼んでいる
3. 財源
   年金の財源には,社会保険料と税負担が並立で当てられている

厚生年金保険料は年収1000万円を超えると,超えた分についてはかからないので,
年収が多いほど負担率が下がる.

同様に,健康保険料は年収1500万円を超えるとみな同じになる.



本当の負担率

法人の場合,所得に対して法人税を計算するのに対し,
サラリーマンの場合,収入に対して計算されている.

これでは不公平なので,次のように実質的な負担率を決める.

実質的税負担率 = 税額 / (収入 - 給与所得控除)

これで計算すると,
年収150万円の世帯と,年収3000万円の世帯の税率が同じになるらしい.

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